InstagramとTwitterで長らくフォローしている石川祐樹さんによるフォトエッセイである。
写真、いいなあと思ってよく眺めていたのである。
一時は中判のフィルム、おれも買おうかと本気で考えたくらいだ(笑)
長女である真優さんが心臓に先天性の疾患を抱えて生まれてきたということは、ネット記事とかで前から知っていて、この本もずっと読みたいと思っていた。
が、10年前の本ですでに絶版だし、中古はプレミアが付いてやたら高い。
新宿区の図書館にも入ってないのだけど、いよいよ読みたくなって他区から取り寄せてもらった次第だ。
写真もいいし文章も泣ける。母親の強さ、そして真優さんの強さにも心打たれる。
手元に置いて繰り返し開きたくなる本だ。
当時は家族して生か死か、という極限の状況を過ごしていたわけだから、もう二度と繰り返したくないだろうし、実際切羽詰まってたんだろうけど、それでもかけがえのない瞬間の欠片がこれでもかというくらいに切り取られているのだよ。
そして、これらの濃密な時間から十数年を経た現在、弟くんともども、元気に十代を謳歌してるようで心から安堵する。
まあ、ここまで強烈に圧縮されたものかどうかは別として、親として子の健やかな成長を願う気持ちは、もちろんおれも等しく持っているわけで。自分も同じ状況におかれたら、こういうことを思うんだろうなということが、そのまんま言語化されている気がする。そしてセンチメンタルな父であるがゆえに、母の強さがいっそう際立つ(笑)
奇しくも同じ家族構成だけど、これから娘や息子が、もっともっと生意気になって反抗的になっておれは邪険に扱われ必要とされなくなっていくにつれ、何にも代えがたい今のこんな感情もいつか薄れていってしまうのだろうか。
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