そのときのことはまだ鮮明に覚えている。
翌月に控えたフィリピン出張について伊藤道雄さんと、彼の率いるACC21のオフィスで打ち合わせをしていたのだった。
ソッコーでオフィスの外に出たら、目の前の高層ビルがぐわんぐわん揺れていた。
一緒に打ち合わせをしていた同僚がそこから徒歩圏に住んでいて、その日は彼女の家に泊めてもらった。
本来の職場である都心のビルの37Fにいた他の大多数の同僚たちは帰宅難民となって、オフィスで夜を明かしたという。
それから二年、仕事として震災支援に携わって何度も岩手と宮城と福島に行って、その後の二年はブラジルだ。
被災地で出会った人びとは今どうしているのだろうか。
一年前と同じことを考えている。
気づけばもうすぐ帰国。
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