On Writing

昔は山ほど書いていた。
小学生の頃から文章だけは褒められた。
毎度当たり前のように賞をいただいていたのである。

中学生になって一人暮らし始めてからは、書いても書いても書き足りなかった。
日々の出来事に感情が追い付かなかったのである。
今でも覚えているのは高校生の夏休み、止まらなくなって1日で大学ノート1冊書きつぶしたことだ。
とにかく書かずにはいられないことが溢れ出していたのだ。
この感性が今も続いていれば、すでに芥川賞どころかノーベル文学賞を取っていたであろう(笑)

大学に進学しても、書くことへの飢餓感は続いてた気がする。
そもそも大学の選択も、おれは書ける人間だから、ということで文学部一択だったのである。
実家を漁れば、百冊は優に超えるノートが埋もれているはずだ。

大学院に入っても、フィールドノートという形で、どうでもいいこと含め、逐一書きつけてたと思う。
その頃は異国の地でそれなりに貴重な経験をしている自覚があって、それを残しておかなければ、と思ってた気がする。
それ以前はもっと純粋に、とにかく書いておかなければ、というやむにやまれぬ感情があった気もする。

気づけば今は何だ。
文章は毎日それなりに書いている。
が、メール対応、チラシ、企画書、ご挨拶等々。フォーマットの決まったものだ。

いつからなのか。
ブラジルから帰国してからか。
家族を持ってからか。
子供が生まれたからか。
大学に転職したからか。
書くまでもなく楽勝で現実に対応できちゃうほど、歳を取ったということか。

先日、敬愛する某氏から論文書け、と言われた。
さておれは何を書けばいいんだっけ、としばし呆然としてしまった。
で、焦燥にも似たもどかしい思いを抱えている。

ここ数年、書くことについてあまりに無頓着でありすぎた。
こりゃあきまへん。
これから日々原稿書きに勤しむことになるであろう。

関連記事

  1. リーベル復帰

  2. モンテネグロの十戒

  3. お祭りの日々

  4. 木馬亭

  5. Feira Cultural

  6. オリエント工業

  7. 戦災・災害のデジタルアーカイヴ

  8. 聖なる巡礼路を行く

  9. 14歳の栞

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Author

えんたく(Entak)

PAGE TOP