先週はサンパウロで過ごしていました。
たった3ヵ月ぶりだけどやたら懐かしい。
会議続きでせわしない滞在だったのですが、それでも友との再会と和食と中華と日本酒に癒されました。
てか、みそ汁ってほんと美味いね。
あとは天気の違いを実感しましたね。
ここポルトヴェーリョは雨季ながら相変わらず暑い。年中暑い。
一方サンパウロはちょうどいい感じ。驚いたことに冷房なくてもいけるくらい。
そして日本は今、秋真っ只中であるそうな。
7年半前、社会人になって東京に戻ってきたとき、最初に住んだのは目黒だった。
職場の新宿から適度に離れててでも適度に近くて、便利だけど静かでそれなりに面白くて、という何とも優柔不断な条件の中で選んだのがこの街だったのだ。実際その判断は正しかったと思う。
で、秋の目黒といえば何てったってさんま祭りなのである。
気づけば今年のもう終わってるじゃん。
住んでた頃は、毎年ありがたくいただいたもんです。
このお祭り元になったのはご存じ『目黒のさんま』。
世間知らずな殿様を嗤う滑稽噺だ。
お勧めは何と言っても十代目金原亭馬生師匠。
ちなみにこの人、父が志ん生で弟が志ん朝(ついでに娘が池波志乃でその旦那が中尾彬)。
父や弟みたいに派手な艶やかさはないものの、どの噺聞いても渋くってさり気なくって、何か、とっても良いなあと思うわけです。
あのサゲの言い回しなんて秀逸過ぎではないですか。
今年はおそらくさんまを食すことなく暮れるだろう。
でも僕は、某国にて破格値で購入した小津安二郎全集をこの地に持ち込むことを忘れてはいない。
今夜はアマゾンの豪快な雨のなか、お部屋の中でしっぽりと、さんまの代わりに『秋刀魚の味』を味わったのであった。
んじゃまた。
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